葵の涙

2003年5月30日
長い薄明のなかでびろうどの葵の震へてゐるやうに、
やはらかなふらんねるの手ざはりのやうに、
きんぽうげ色の草生から昼の光が消えかかるやうに、
ふわふわと飛んでいくたんぽぽの穂のやうに。
泣いてゐる。

泣いても泣いても涙はつきぬ。

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